2011年5月30日月曜日

「参加型開発」とは?

今現在、開発の業務に携わりながら、個人的には通信制の大学院にも所属しています。受講している科目の一つで「参加型開発論」というのがあるのですが、自分自身これまで青年海外協力隊員、そして国連ボランティアを経験してきた事もあり「参加型開発」という事に対しては、“常に実践してきた”と自負をしていました。

しかし、講義を通して感じる「参加型開発」は、これまで自分自身が考えてきたものとは大きく違います。“もしかして大きな勘違いをしていた?”と感じます。実際、勘違いをしていたのかもしれません。
押し付けの開発をしていたのかもしれないと感じたのです。


現在所属している笹川アフリカ協会。
先週アディスアベバにて全体会議があったのですが、職員構成を見てみると60名ほど居る中で、アフリカ以外の国籍を持つ人は

  1. 日本人:4人
  2. アメリカ人:1人
  3. ドイツ人:1人
  4. フィリピン人:1人
それ以外はそれぞれ国事務所がある国の国籍を持つスタッフを中心で構成されています。

それぞれの国のスタッフが農家さんを訪ねて調査をして、開発プロジェクトを考えます。
組織のファンドは日本の協会や、アメリカの財団等から出ていますが、どういった開発を行うかは、それぞれの国のスタッフが自ら考えています。

開発援助組織がトップダウン的に行う開発よりも遥かに非援助者に近い立場、そして同じ国民がプロジェクトを考えている事は効率的でない場合もあるかもしれないけど、持続性という部分では大きな効果があるような気がしてなりません。
実際、NGOでありながら20年近くに渡って継続的にプロジェクトを行っています。


これまで経験してきた開発組織の形態と大きく異なりますが、かなり遣り甲斐があって、組織の形態も好きかもしれません。
「今の組織構成の方が、開発に適しているんじゃないか?」
なんて思ったりします。
まだ組織に入って3ヶ月。これからが楽しみです。

2011年5月28日土曜日

全体会議で業務報告


昨日、所属組織の全体会議が終わりました。
組織としてのメインアクティビティは農業系なので、僕自身が関わるITというのは、全体の話し合いの割合から考えればごく一部。しかし、上司から“進捗状況をプレゼンしてね”と言われていたのでウンウン考えながら準備を進めてきました。


というのも、MIS(情報管理システム)構築が役割なのですが、スタッフのそれぞれがMISに対して抱いているイメージの差が大きく、とても一つの形に話し合いでまとまりそうにありません。
また、技術面でも多くが抱いているイメージ通りのシステムを入れてしまうと、とんでもない金額が掛かってしまいます。
組織のポリシーとして「農民の為に最大限資源を投入する」があるので、そのポリシーを尊重すると、とても多くが抱いているイメージのシステムは投入した金額に見合った効果が見られないシステムになりかねません。

「じゃぁ、どんなプレゼンすればいいんだ?」

プレゼンした内容としては、“現状のIT環境のブラッシュアップ”に過ぎないのですが、今後については含みを持たせて、なんとか乗り切りました。


僕のプレゼンが終わってから、アメリカ人の理事から褒められ、そして理事同士の会話。
「お前(理事M)の連れて来る人材は、どれも有能だね」
最大の褒め言葉に聞こえました。
あぁ、頑張ってきて良かった。モチベーションが上がります。

2011年5月24日火曜日

お国柄ですかね?

先週のワークショップとは別に、今週は会議です。
エチオピア以外に、マリ、ナイジェリア、ウガンダからも
それぞれの国の代表以外に
Programme CoordinatorやProgramme Officerも参加しての会議です。

先週も何となくですが、お国柄を感じていましたが
国ごとに集まって意見を出し合っているとき
それぞれの話し合いの進め方に違いがあって面白いです。

規律正しく話し合いをする社会主義時代を感じさせるエチオピア
建設的な意見を出し合おうとする姿勢を感じるウガンダ
話し合いをするも、どこか上品というか、おしとやかなマリ

激しく意見のぶつかり合うナイジェリア
それぞれの国へ出張をして、仕事を進めていく私にとっては
そこで話し合われていた内容よりも気になる部分でありました。

近々、一度も出張していないナイジェリアへ行く事となりそうです。
果たしてそこでは何が待っているか?

2011年5月22日日曜日

“アフリカ”と一纏めにしがちだけど・・・

木曜日からエチオピア国内で行われたワークショップに参加してきました。
首都から200km離れたところと聞いていたのですが・・・
所要時間は5時間!どう考えても200kmではなさそう。
あとで聞いたら300kmとのこと。

さてワークショップはエチオピア国内以外に
マリ、ウガンダ、ナイジェリアにある事務所からもやって来ています。
首都から車で移動している途中、お昼ご飯を食べた時
それ以外にも随所でそれぞれのお国柄というかを感じます。
子供を連れてきた同僚、遊び方、・・・。


同じアフリカ大陸の民族でも、それぞれ色々。
個人の好みもあるかもしれないけど
よーく見ていると、ビュッフェ等でも選ぶ傾向を感じます。


改めて「同じアフリカといえども、やっぱり色々」と感じます。

2011年5月19日木曜日

“約束”って知っている?

引っ越してきてから一月くらい経ったでしょうか?
引越し当初から不安に感じていた冷蔵庫は、案の定問題あり!
言葉で説明するよりも、見てもらうほうが効果があるので
問題をあえてほったらかしにしておきました。


お陰で?狙い通り?
いえいえ、予想をはるかに上回る状況です。



冷凍庫は全く使えません。
大家さんに見せたら苦笑していました。
そして早速修理業者を呼んでくれました。

ここからが大変。
修理業者は約束した日に来ない。
「電球切れた!」「お湯でない」「水の出が悪い」
こういった問題は我慢できますが、冷蔵庫は食に関わるので必死!

そしてやっとこさ来た修理業者。
土曜の午後にやってきて、月曜日には出来上がると言うけど
食材入っているので月曜朝に来て欲しい旨伝えると
「じゃぁ、月曜朝に来て、午後には修理は終わる
と自信満々。
そして案の定、月曜朝には引き取りに来ず、来たのは月曜夜。
それでも「明日の午後には修理終わる」と、依然として言い張る業者。

はて?今は水曜日の夜。
依然として冷蔵庫は戻らず・・・明日から出張。
果たして日曜日に出張から帰ってきたときに、冷蔵庫は一足先に帰っているか?

2011年5月13日金曜日

まずは感謝の心を!

同僚の日本人が日本のご家族から送られてきた貴重なるお菓子を
事務所で振舞ってくれました。

ユーハイムのバームクーヘン
ドイツでは「Der Konig der Kuchen お菓子の王様」と称されるとの事です。


この貴重なるお菓子を振舞ってくれた同僚に感謝!
エチオピア人にも“美味しい!”と感じるらしく、とても喜んでいました。
僕も食べている間、笑顔が絶えません。

しかし、同僚の次の一言に驚く限り。
「もっと沢山持ってきてくれなきゃ!」

もちろん振舞ってくれた本人の居ないところでの一言ですが
冗談とも本心ともつかない一言。この深層心理やいかに?

2011年5月11日水曜日

途上国のインターネット

以前、アメリカの非営利シンクタンク「The Information Technology & Innovation Foundation(ITIF)」が国別のインターネットのスピードと、金額を調査して発表しておりました。今の世の中、仕事に!お買い物に!そして連絡手段としてもインターネットは使われております。


ここ途上国でも例外でなく、仕事に、連絡手段にインターネットは活躍しています。しかし“活躍”という言葉の割にはネットの速度は遅く、以前居たエリトリ アでは752Kbpsの通信速度を備える国連内のインターネットがエリトリア国内最速でした。それがどれ位遅いかって・・・NTT DoCoMoのFOMAよりも通信速度遅いんです。ましてや、それが国内最速。

それでも頑張って仕事に使っておりました。


さて、この10日ほど事務所内Internetの安定性についてモニターしておりました。やり方としては特定のサイトへの接続時間を計測して「Timed outか?何秒か?」を記録する事です。公称のインターネット速度は残念ながら当てになりません。

4秒間応答がないと、“Timed out"として記録をしておりました。その結果は・・・「AM8:00~PM5:00の業務時間中で、54.22%ネットに繋がらない」
となってしまいました。この通信費、ここでは明かしませんがけっこう高額なんです。それともTimed outとして記録される条件は厳しかったかな?
通信機器は海外から輸入だから外貨払い、エチオピア国内と国外の間のインターネット通信契約は外貨払い。停電対策のために発電機であったり、電池を用意したり・・・これらも輸入品。ランニングコストの殆どは外貨での支払いになるでしょう。
その為、外国人でも高いと感じるインターネット接続料です。

でも国際電話を掛けたりするよりもはるかに安上がり。頼ってしまいます。

2011年5月8日日曜日

持続的な支援


海外へ赴任する際、多くの方がそうしていると思いますが、醤油、味噌などは定番ですが、色々と日本食材を持って赴任します。インスタント食品の他に“とっておき”って物があるかと思います。

今回持って赴任をした中でとっておきの日本食は写真の

  • さば醤油煮
  • さんま醤油煮
です。
内陸国のエチオピアでは海産物は輸入品となるので高価です。ましてや秋刀魚や鯖となると手に入りません。心身ともに疲れたとき、もしくは何か良い事があったときのご褒美に食べます。

さて、今夜は「さば味噌煮」を頂きました。白ご飯と味噌煮だけでご飯が進みます。ひとまず堪能した後、改めてパッケージを確認しました。 “三陸の港で水揚げ”と前置きがあります。 裏を返すと製造会社は「宮城県気仙沼市栄町1−30」にあります。


大きな地図で見る

Webサイトへお邪魔してみると製造・営業を停止している旨記載があります。震災・津波の被害を受けた事は地域から想像がついてしまいます。
三陸の港で水揚げされた海の幸。ここエチオピアの私の食卓にも幸をもたらしてくれました。今回の震災にて被災された漁師の方々にも、再び東北沿岸の海が“幸”をもたらしてくれる事を願わずにいられません。

震災復興後も何か我々にお手伝いできる事がないでしょうか?風評に踊らされる事なく、再びこの海の幸を持って海外へ赴任したいと思います。

2011年5月7日土曜日

「既得権」とどう戦うか?

これまでナイジェリアを除いて各国の事務所内IT環境などを確認してきました。
その大概の事務所で目に付くのはプリンターの多さです。
プリンターの台数を数えてみると・・・
 スタッフの数とプリンターの台数がほとんど変わりません。
しかも、その大半は家庭用のインクジェットプリンターだったりします。

各自の机の上に置かれたインクジェットプリンタ

果たして2台もパソコンが必要だろうか?

これまでの経験上、途上国の多くの事務所でずらっとパソコン、プリンター、スキャナ、・・・
“果たしてこの人は一人でこんなに機械を使うのだろうか?”
と疑問に思わずに居られない位の機械が机の上に並んでいます。

日本に比べて、機械の単価、ランニングコストは高いので
導入に関しては日本以上にシビアであるべきなのですが
さしたる理由も見付からず機械がズラッと机の上に並んでいます。

日本人の感覚からすると、使用頻度の低い機械は共有したり
使用頻度が高くても、ランニングコストを考えて大型の機械を入れたりします。


さ て、これまで出張して現状を確認したのを踏まえて古い機械は廃棄or売却して、中型の機械を入れることとなります。中型の機械を入れれば、これまで各自の 机の上にあった大半のプリンタは不要、もしくは使用頻度が著しく下がるので減価償却が進む前に売却してしまうほうが良いと思うのですが、“既得権”として 自分の机の上に置かれている機械をおいそれとスタッフが手放すでしょうか?

「インクジェットプリンタのインクを4回買うと新しいレーザープリンターが買えるよ。」
「これまで導入できなかったカラーレーザープリンターを導入するよ」
と説明して入れることにするのですがどうなるか?

こ れまでの機械をそのままにして、新しい機械を入れる事は無駄な機械を増やす、もしくは黙認してしまう事になるので、全廃は無理としても、何としても数を減 らすべく努力はしなければなりません。その過程で既得権を守るべく文句を言ったり、理由にならない理由を言うスタッフも居るでしょう。まったく、IT担当 者ってのは貧乏くじを引かざる得ない仕事です。

2011年5月3日火曜日

仕事もしていますよ。

あんまり仕事の事を書いていなかったので少々触れます。


これまで長年にわたってIT担当者が居なかった影響は色々な所に。
コンピュータ購入の基準が無かったり
プリンターを計画的に入れずに
小型のプリンターばかりが導入されていたり。

コンピューターやプリンターに関しては
手をつけるには色々と段取りを踏んだり、交渉したり、購入したり・・・。
と、時間が掛かるので、それらの段取りを進めている間に
別な事に手をつけました。

「組織で共通のE-mailアドレスを持つ」

日本じゃぁ、別段目新しい事ではないかもしれないです。
各国の事務所がネットにつなぐ際、現地のISPと契約して
主にそのISP提供するE-mailサービスを利用していました。
各ISPのメールサービスに関するポリシーはまちまちで
メールが届いたり、届かなかったり・・・困っていました。


そんな時、光明が!!Google appsデス。
IT担当者を継続的に置くことが難しい組織にはうってつけかと思います。
E-mailのサービス単体で考えても、かなり安価だし。

このサービスを導入する事は承認されたので
今は組織内のサービス開始へ向けて準備を進めております。
皆さんの疑問に応えたり、ネットワークの設定を済ませたり。
説明なしで導入するメール以外のサービス検討したり。


メールアドレス配布後、Google appsがメール以外にも提供しているサービスを確認して
本来の目的に即したシステム構築を進めていこうと思っています。

2011年5月2日月曜日

果たしてこれは普通なのか?

日曜日に同僚の結婚式に招かれて行ってきました。
どこの国でもそうですが、こういった式ってのは気を使います。
暗黙の了解が沢山あるから。

事前にご祝儀を持っていかなくて良い事は確認済み。
当日、遅刻しないように行ってみると・・・。

会場はすっからかん
「会場間違えましたか?」みたいな状態。
テーブルの上にコップも並んでいません。
でも、会場は間違いないので、そのまま待つ事に。


1時間もすると、会場は埋まり始めたので
どうやら1時間位はずらしてくるのがエチオピア流儀?

誰も文句を言わずに待っているところを見ると・・・エチオピア流儀か?
ウェディングドレスは着ていますが、料理はやっぱりエチオピア流儀。


待ちくたびれてしまったので、早めにおいとましました。
こうして帰るのもエチオピア流儀であって欲しい。

2011年5月1日日曜日

エチオピア便り No.01

 今年の3月初めより赴任をしたエチオピアはアフリカ北東部の内陸国です。2008年6月から2007年7月まで私自身が赴任していて便りを発信していたエリトリアのお隣に国です。もっとも、エリトリアよりもエチオピアの方が世間一般での知名度は断然上です。かつては海に面していましたが、沿岸地帯は“エリトリア”として20年程前に独立をしてしまったので、港に関しては隣国ジプチ港を利用しています。標高が2,400m程あるため、アフリカにありながら快適な気候です。
 日本との時差はマイナス6時間。日本からの直行便は無く、ドイツのフランクフルト、エジプトのカイロ、トルコのイスタンブール、タイのバンコク、デュバイのいずれかを経由するのが一番乗り換えの回数が少なく到達できます。

続き(PDF版)

内容
  1. 派遣先と業務内容
    1. マリ共和国出張
    2. ウガンダ共和国出張
  2. エチオピア住宅探し