2012年3月30日金曜日

途上国全般でのIT関係者共通の頭痛の種

社会人一年目の冬、ボーナスはたいてSONYのノートパソコンを買いました。
VAIO Note 505RS
薄型のラップトップで、持ち歩きには大変便利ではありました。
しかし、当時のラップトップ全般は非力で、ウィルス対策のソフトをインストールすると
動作がにぶくなり、うっとおしいので削除してしまいました。

とは今から14〜15年程前の話です。
当時はパソコンでウィルス対策をしていなくても、さほど問題になりませんでした。

しかし、今の世の中、IT関係者でなくてもウィルス対策のソフトを購入する様になり
スマートフォンにまでウィルス対策を施す様になりました。
言うまでもなく、コンピュータウィルスが一般的になったからです。

途上国とて状況に変わりはありません。
「Internet」という世界どこへも繋がっているネットワークのお陰で
日本も、アメリカも、北朝鮮も、エチオピアも繋がっています。
そのネットワークを越えてやって来るのは情報だけでなく
コンピュータウィルスもやってきます。

この対策をどうするか?

IT技術者としては、とても頭の痛い問題です。


今日も同僚の一人がノートパソコンを持ってきました。
「私のパソコンはエラーメッセージも出て
使うとデータを失うっていう危険な状態にあるから、一切何も出来ないよ。」
といいます。
これが事実なら大変な事です。
色々な注意がまとまって表示されて焦ったのか?
実のところは
  • Windows Updateが長期間実施されていない
  • ウィルス対策ソフトの定義ファイルが古いままである(たいがい数ヶ月前)
という為のメッセージなんですが、全てをゴッチャにして説明されました。

この“ウィルス定義ファイル”
日々数MB単位のファイルをダウンロードする必要があります。
しかし、セコセコInternet(繋いでいる時間で課金されるInternet)を使っている世界では
そんなに毎日、数MBのファイルをダウンロードする訳がありません。
ダウンロードしてもパソコンが劇的に高性能になるわけでも
華々しいソフトがインストールされる訳でもないのです。
こうした表示にすごく敏感な同僚たち
頻繁にこうしたメッセージが出てしまう。
人間の“手洗い・うがい”みたいに、一日サボったからと言って
翌日、前日分のうがいまでやる必要が無いのであればさして問題は無いのですが
ウィルス定義ファイルって奴は、累積で増えて行くので、一日サボると倍になります。
1週間もサボった日には・・・
もうセコセコInternetを使ってダウンロードする気になんてなりません。
参考:アフリカ圏のブロードバンドに関するブログ記事

かつてUNFPAエリトリア事務所での通信速度

結局、今回持ち込んできた同僚の様に注意喚起のメッセージの嵐になり
「こりゃぁあんた!
  私のパソコンは大変危険な状態にあるよ!」
って持って来る事になります。
そして要らないおまけですが、しこたまウィルスに感染されているのが常です。
(先日、数万単位でウィルスに感染しているケースがありました)


クレジットカードを保有する人が極端に少ない途上国
そして通信費が高く、日本等の様に良質な“繋ぎたい放題”なんて事の少ない通信事情
これでは合法的にウィルス対策ソフトを購入して
そして継続的にウィルス定義ファイルをダウンロードする事は不可能に近いです。

それに輪を掛ける様にして、海賊版Windowsが溢れ、海賊版ソフトが溢れ、
ウィルスに感染しやすい状況を作り出します。
あ〜ぁ、このウィルス対策
終わりの無い、そして勝ち目の無い戦に挑んでいる様な気がしてなりません。


長文失礼。

0 件のコメント:

コメントを投稿