2013年12月31日火曜日

エチオピアとエリトリアの再統合

出勤途中の事務所運転手さん(ド)との世間話シリーズ。
今回は経理担当(経)も含めた3名
お題はタイトルのある
 「エチオピアとエリトリアの再統合」
もちろん、こんな話は現在の所ありません。

エリトリアは1991年に独立を宣言するまでエチオピアの自治州の一つでありました。
その後、エチオピアとエリトリアは国境紛争にてもめて
2000年に至るまで戦争をしてる様な状況にりました。
2008年にUNMEE(United Nations Mission in Ethiopia and Eritre)が撤退してしまいましたが
依然として緊張状態が続いています。

エリトリア国内は食料、燃料、様々な物資が事欠く状態で
私自身がいた2007年〜2008年の間でも様々な物が配給制になっていました。
ガソリン、軽油、灯油、牛乳、・・・。
依然として現地にて国際協力の仕事をなさっている方に現状を聞くと
以前よりも停電は増え、国営航空は飛ばず、脱走者が後を絶たないとの事。

個人的には
 「エチオピアとエリトリア、再び一つにまとまった方がいいのでは?」
と思うのですが、ここエチオピアではどういった意見でしょう?

 私:依然としてエリトリアは大変な状況にあるね。
 ド:奴らは馬鹿さ。エチオピアから独立して行ったんだから。
 私:エリトリアの独立戦争には従軍したの?
 ド:あぁ、高校を卒業した後だったな。
 私:え!どんな所へ行ったの?
 ド:ほら、9月に陽介はTigray州へ行っただろう?
   あの北部の様にあまり雨の降らない林の中さ。
 私:どのくらいの期間、従軍していたの?
 ド:7年くらいかな。
 私:その後、エリトリアは独立して行った訳だ。
   でもさぁ、エリトリアはエチオピア無くしては成り立たない国じゃない?
 ド:奴らはエチオピアの子供みたいな物さ。
 私:もう一度、一つの国になる事って、有り得ない?
 ド:有り得ないね。
 経:そんな事無いよ。その内、両方の政府が仲直りすれば、一つに国にならなくても
   VISAが無くても自由に行き来する事が出来る様になるさ。
 ド:いや、有り得ない。
 私:どうしてそんなにも無いって思う?
   エリトリアが独立して行った理由は、
    ・マッサワ(Massawa)港の使用料について揉めた。
    ・エリトリアが独自通貨を導入した。
    ・エチオピア政府のエリトリア人のエチオピア同化政策
   等があるよね。
 ド:そんなもんじゃない。数えきれないくらいにあるさ。
 経:しかし、エリトリアもエチオピア無くして成り立たないし。
   再統合しても良いんじゃない?
 私:エチオピアとしてもジプチの港を使うよりも
   マッサワ(Massawa)港を使った方が良いんじゃないの?
 ド:確かにかつてはエチオピアはマッサワ港を使っていた。
 私:マッサワ港の方が、ジプチ港よりもAddis Ababaに近いんじゃない?
   それにエリトリア政府は、マッサワ港の改修工事を進めているじゃない。
 ド:Addis Ababaからはマッサワ港も、ジプチ港もそんなに距離の違いは無いんだ。
 経:エリトリアもマッサワ港をエチオピアに使わせてくれれば
   ジプチ港との価格競争が起きて、ジプチ港の使用料が安くなるんじゃない?
 私:あれ、それじゃぁ、依然としてエリトリアの港を使わないじゃん。
 ド:そうさ、エチオピアにとって、エリトリアはどうでもいいのさ。
   向こうから「一緒になりたいです」って言ってくるなら考えてもいいけど。

運転手さんが具体的に教えてくれなかったエリトリア独立戦争へ突入した経緯。
この部分は、現在40〜60歳の世代には、相当根が深く“恨み”として残っている様です。
これと言った資源や、両国にとって大きなメリットが無い限り
再び一緒になる事はなさそうな感じです。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿